サハラ砂漠 - 2014年11月モロッコ雑感(5)
私達は、サハラ砂漠のモロッコ側への唯一の入り口の町であるシェルぎからサハラ砂漠へ。
でこぼこの道を四輪で2時間ほど走ると、ようやく広大な荒れた砂利の平原にたどり着く。
さらに 1 時間ほど走ると、息をのむようなサハラ砂漠の始まりに到着する。
どこまでも続くサーモン ピンクの砂丘。見渡す限り広がる砂の丘、中には高さ15フィートもあるものもある。
サハラは唯の果てしない砂の平原ではなく、激しい風のために、その形は刻々と変化している。
経験豊富なガイドがいなければ、砂の中に迷い込んでしまうだろう。
十数頭のラクダが待っていて、私はキャラバンの少年たちに助けられながら、一番小さなラクダに乗り込む。
ラクダが砂の中に入っていく時はとても静かで、ラクダの足元で砂がキュッキュッと音を立てるだけだ。
ラクダの列は砂の稜線に沿ってゆっくりと進み、夕方のベストスポットに到着する。
30分ほどラクダに揺られた後、ラクダを降り、尾根まで10メートルほど登る。
紫色の雲が散らばる壮大で果てしない空の下、砂漠化した広大な平原が無限に広がっている。
この比類なき風景に、私は全く無力感に襲われる。
夕方7時頃から夕日が沈むというので、カメラを高速シャッターにセットし、夕日を撮り始める。
やがて、空の色が鮮やかなオレンジ色に変わり始め、水平線へと流れていく。
突然、まばゆいばかりの白い雲が空一面に飛び交い、雲の模様が変化していくのが目に飛び込んでくる。
オレンジ、黄色、淡いベージュに縁取られた太陽の周りの轟く炎が鮮やかで、そこから放射状に伸びる金色の雲が空全体を覆っている。
夕日を撮影していると、一瞬、時空を超えた別世界にいるような感覚になる。
完全に日が沈んだ後、あまりの感激に言葉を失ってしまった。
どんな言葉も、私の写真以上のものは描けない。
私が撮ったこれらの写真は、私の人生の視座を変えてくれた。
サハラ砂漠の中で目覚めた私は、人生について何も知らないことに気づかされた。
広大な砂漠を背景に、私は自然の恐ろしさを痛感している。
この瞬間から、私は人生の新たな一歩を踏み出すことになる。
間違いなく、私は、砂漠で生まれ変わった。